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『歩行動作、痛みの改善!』〜歩きや家事での立ちっぱなしでの痛みを伴った症例〜

  • 執筆者の写真: shoo hee
    shoo hee
  • 2022年6月7日
  • 読了時間: 6分

更新日:2022年6月20日


・年齢:30代後半 

・性別:女性 

・職業:主婦(3児の母)

・主訴:

 普段外で長い時間歩いていたり、自宅内で立ちっぱなしで家事をしていると、左大腿部後面から膝窩部(左太ももの後ろ全体から膝裏)に疼痛を認める。以前は腰痛もあったが、現在は消失している。



今回、歩行観察を私がどの様にしているのかを中心に述べさせて頂こうと思います。

左脚に主訴がありますので、左脚をメインに述べます。

以下、歩行の動画を切り取り、写真を貼っています。





●左足が地面に着く前の段階


左足と右足の歩幅の距離に着目!


1、歩幅が小さくみえる









●左足に体重を乗せたときの段階


2、この左足に体重を乗せた時に、左側に横への振れ幅が大きい。

左太ももの外側が伸ばされるような伸張感のある支え方をしている様に見えます。




●左足で地面を蹴り出す段階

●片足で支持している段階

3、左足のつま先の向きが外側を向いて蹴り出している印象。蹴り出す力があまり地面に伝わっておらず、前方への推進力が小さい。






●左足で地面を蹴り出して、右足が地面に着地し両足立ちに戻った段階


動画ではわかりやすく、写真ではわかりにくいが、、


4、左足で蹴り出す際に外側に回旋(捻れ)する動きを認め、剪断力(ズレ)が生じています。






前方から見た写真です。


左足に着目


●左遊脚期(振り出しの段階)


5、地面に左足が着こうとする際、母趾から小趾(親指から小指)までの5本の足趾(足の指)が過剰に背屈(上を向く)しているのがわかります。










●左足が地面に着いている段階

6、左足の指がこの段階でも背屈(上を向く)している。

また、これもまた写真ではわかりにくいのですが、

踵が地面に接地する時間が短く、足底接地の段階に入るのが早く感じます。

いわゆるロッカーファンクション※1が低下しているといえます。







●左足で地面を蹴り出している段階

7、上記3と4で述べましたが、やや外側につま先が向き、回旋の剪断力を認めています。







その他の観察ポイントに、写真ではわかりにくいが左足の蹴り出しが弱く、右足での蹴り出しが強くなってしまいます。

それがどういった意味となるのか想像いただけたらと思います。



以上が施術前の歩く動作に関して、私なりの観察した意見を書かせて頂きました。


※1:ロッカーファンクションについて

ヒトが二足で立って歩くことにおいて地面に足が着いているのがまず大切になってきます。

①足を地面に接地する最初の踵接地するとき

②踵接地がおわり、次の足底接地するとき

③足底接地がおわり、次のつま先で蹴り出すとき

この3点がポイントです。

それぞれが機能して初めてヒトは重力の下、前方へ進むことができます。よくよく考えると、非常に高度なことをしているのだと痛感します。


①は、踵が地面に着き、反対側の足の蹴り出しの勢いもあり、前方へ次の足底接地に速やかに移行する。この時期は衝撃を緩和するために、脚の筋肉群が遠心性収縮(伸びながら筋肉が力を発揮する)で衝撃を緩和しているというしくみであります。


②は、足底筋膜や足底靱帯(足裏の靱帯・筋・腱)の柔軟性および剛性の両方の機能を高めて、弾力感として足裏全体での振り子運動が起きます。


③は、足のつま先部分の中足指節間関節(足指の付け根部分)が軸となり、回転運動により前方へと推進力を生みます。母趾(親指)と小趾(小指)の機能が重要となってきます。足趾間の動きが乏しくなっていたり、皮膚・皮下組織などの動きが低下することで、このつま先での蹴り出しが行いにくくなります。

これら3点の機能のことを「ローカーファンクション」と呼んでいます。


今回の症例に対して行った施術内容です。

まず、下肢の可動性・筋力・骨のアライメント(位置関係)をそれぞれ評価として行いました。

可動性:

左膝関節、股関節、足関節ともに右側と比較して、可動性は低下していました。


筋力:

筋力も、左股関節・膝関節はともに右側よりも低下があり、左足関節背屈(足首を上にそらす動き)では、足趾(足の指)伸展(パーの状態)の動きがあり、代償運動がありました。


アライメント:

骨アライメントでも、骨盤に対して大腿骨がどうなっているか?

大腿骨に対して脛骨はどうなっているのか?

脛骨に対して距骨から遠位部はどうなっているのか?

を触診したところ、それぞれにズレを認めていました。


また、左足に外反母趾があり、右足の母趾裏に魚の目を認めています。さらに両足ともに若干の内反小趾があります。


これらの評価を踏まえて、アプローチした内容は

①股関節屈筋群(股関節を曲げる方向に働くいくつかの筋肉)の緊張緩和

②膝蓋骨(膝のお皿の骨)周囲や大腿遠位前面部(太ももの下の前側)の皮膚・皮下組織の滑走促進(滑りをよくする)

③下腿前面筋群(すねの筋肉がある部分)の緊張緩和

④足背部(足の甲、足首の前側)の腱や皮膚・皮下組織の滑走促進

⑤ハムストリングス全体(太ももの後ろ側全体の筋肉)の滑走促進

⑥腓腹筋腱(膝裏からふくらはぎにかけての筋肉)の滑走促進

⑦母趾伸筋群(親指からすね、踵まで繋がっている2つの筋肉)の緊張緩和や皮膚滑走促進

⑧外反母趾、内反小趾に対するテーピング


以下よりアプローチ後の歩行動作を動画で切り取った写真を貼りました。

また良ければご意見など頂けると幸いです。


●左足が地面に着く前の段階

1、歩幅は大きくなっているのがわかります。施術後⬇︎















●左足に体重を乗せたときの段階

2、左足に体重を乗せた時に、左側に横への振れ幅に変化があるのかは写真ではわかりにくいですが、左太ももの外側が伸ばされるような伸張感は減少。骨盤と足の位置関係からも、しっかり支えている印象を受けます。施術後⬇︎














●左足で地面を蹴り出す段階

●片足で支持している段階

3、左足のつま先の向きが外側を向いて蹴り出している印象は消失し、真っ直ぐ蹴り出せている。地面への力の伝達も行いやすくなり前方への推進力は大きくなっています。 施術後 ⬇︎














●左足で地面を蹴り出して、右足が地面に着地し両足立ちに戻った段階


動画ではわかりやすく、写真ではわかりにくいですが、、


4、左足で蹴り出す際に外側に回旋(捻れ)する動きを認めていたが、剪断力(ズレ)は消失しているのがわかります。

施術後 ⬇︎

















前方から見た写真です。


左足に着目


●左遊脚期(振り出しの段階)

5、足趾の伸展具合はさほどわからないが、足先の向きは真っ直ぐ向くようになっています。

施術後⬇︎ 












●左足が地面に着いている段階

6、この写真からは、左足の指の背屈(上を向く)が軽減しているのがわかります。施術後⬇︎












●左足で地面を蹴り出している段階

7、左股関節の伸展角度が増加し、内旋(内側に捻れる)可動域の拡大を認めており、真っ直ぐ蹴り出しができています。

施術後⬇︎











今回の症例の方は、施術の頻度は、週に1回の頻度で来院してくださります。

施術を受けてから、後日1週間からだの調子を見て下さった結果、長い距離の歩行や自宅内での立ちっぱなしの家事を行っていても、左太ももの後ろや膝裏の痛みは減ってきており、今では気にならなくなっているとのことです。

施術前の写真が5月16日、施術後の写真が5月26日に撮ったものです。


今回のブログでは歩行観察に関して、どうのように施術をしているのか語らせて頂きました。もし、このブログに『いいね!』や『施術を受けてみたい!』などがあれば、下記に予約方法を記載していますのでご連絡をお待ちしています。

反対にご意見などがございましたら、そのことに対してもご連絡をお待ちしています。



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