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脚の付け根や太もも周りが気になる方へ〜股関節を曲げる筋肉に着目したアプローチ〜

  • 執筆者の写真: shoo hee
    shoo hee
  • 2022年6月21日
  • 読了時間: 7分

更新日:2022年6月23日

 前回「歩行動作と家事動作での立位保持で認めていた太ももの痛みが緩和した症例」をご紹介いたしました。

 今回は、前回実施した施術アプローチに関する内容を筋肉の部位ごとに分けてお伝えしようとおもいます。

 

 

 

目次:

1、股関節屈筋群とはいったいなんぞや?

2、股関節屈筋群の中でも大きな力を発揮する筋肉がある

3、股関節を曲げるときに必要な要素

4、股関節屈筋群の中でも発揮する作用が異なる筋肉がある

5、股関節屈筋群が原因となっている手がかりの見つけ方

 

1、股関節屈筋群(太ももの関節を曲げる筋肉)とは一体なんぞや?


      全体図    

腰の背骨から骨盤、太ももを示しています


股関節を曲げる筋肉群 (ここでは6つ挙げています)

①大腿筋膜張筋

(だいたいきんまくちょうきん)

②腸脛靱帯

(ちょうけいじんたい、①と連結)



③大腿直筋(だいたいちょっきん)

大腿四頭筋

(だいたいしとうきんの4つの筋肉の内の一つ)


④縫工筋(ほうこうきん)

⑤腸骨筋(ちょうこつきん)

⑥大腰筋(だいようきん)

①〜⑥までの筋肉が主に股関節を曲げる筋肉とされています。


2、股関節屈筋群の中でも大きな力を発揮する筋肉がある


この①から⑥までの筋肉の中でも特に、大きく働く(大きな力を発揮する)筋肉は、③大腿直筋と④縫工筋と私は考えています。

これらの筋肉は、二関節筋(にかんせつきん)といわれていて、関節を2つ以上跨って(またがって)走行しているという意味となります。モーメントアーム長が長い(筋肉が骨に付いている始まりから終わりまでの終着点の距離が長い)筋肉であります。見ての通り長いと感じるとおもいます。


さて!筋肉の長さが、短いものと長いものであれば皆さんはどちらの方が力が発揮しやすくて、強く引っ張れそうなのか想像はつきますでしょうか?


ちょっとわかりにくいかもしれません。。

では、ここでいう股関節と膝関節の2つの関節を跨いでる筋肉と、股関節のみ1つの関節の上を走行している筋肉であれば、どちらの方が力量(力発揮に必要なエネルギー量)は大きいでしょうか?


これは恐らく想像つきやすいのではないでしょうか!

ズバリ2つの関節を跨いでる筋肉です。

2つの関節を1つの筋肉で動かすとなると結構なエネルギーが必要になりそうな印象ですよね!

したがって③大腿直筋と④縫工筋は、どうしても力発揮を強いられる筋肉でもあり、硬くなりやすい筋肉でもあります。


筋肉は、細かな線維同士が重なっていて、その隙間と隙間を滑って縮まったり、伸びたりして筋肉は動いています。この動力源はヒトが食べる食物による栄養補給が大切となってきます。栄養が不足すると、筋肉の伸び縮みがしにくくなり動きが鈍くなったり、日常生活での動作にも影響してきます。


また運動不足や同じ姿勢の繰り返し、仕事でのストレスにより筋肉は固まりやすくなり、より一層、関節が動きにくくなり老化へと進んでいく進行が早まります。


といったことは、今回のブログではこれくらいにしておきます。


筋肉と筋肉の間を滑りやすくするためにも、下図の赤丸で示しました。

この③大腿直筋と④縫工筋は重なっていますので、この部分の筋肉を滑走しやすくするために、徒手で軽い負荷で剥がしたり、自らで筋収縮(きんしゅうしゅく)をしていただく必要があります。

3、股関節を曲げる時に必要な要素


次に①大腿筋膜張筋②腸脛靱帯についてです。

②腸脛靱帯は靱帯性であるので筋肉のように短縮したり(短くなる)、伸張したり(長くなる)と変化はしません。しかし、①大腿筋膜張筋と繋がっているので、この筋肉が硬くなると②腸脛靱帯は股関節を曲げたり伸ばしたりするときに、②の近位部側の(身体の中心に近い部位)前後へスライドする動きを認めます。股関節は曲げ伸ばしだけでなく、横の動きや回旋の動きもしますので、②はあらゆる方向に動くと比較的股関節の動きは楽になるのではないかと独断と今までの経験則でおもっています。

さらに下記では①の解剖と機能について述べます。


後ろから見た図

前から見た図

図で示した通り、①大腿筋膜張筋は股関節の一部の、骨と滑液包※1を介して接触しています。

また、②も下層にある外側広筋という筋肉と接触しています。



後ろから見た図

前から見た図

股関節を曲げたりどの方向に動かす時でも、これらの接触している部分の滑走は必要になってきます。

徒手で滑走を促すと、接触している筋肉と滑液包の箇所や筋肉同士の箇所は動いてきますので、関節の可動域(動く範囲)は広がるというわけです。


※1:滑液包について:

 骨と腱、筋肉との間にある液体成分の組織。擦れ合う摩擦を減らすために存在している。肩関節部に特に多く、股関節・膝関節・足関節など関節部に認めることが多い。

 血管・神経・リンパ管が豊富なため、痛みの受容器がたくさん存在しているため疼痛閾値は低い(痛みを感じやすい)部位である。



4、股関節屈筋群の中でも発揮する作用が異なる筋肉がある


前回のブログでご紹介した症例に対しては、⑤腸骨筋と⑥大腰筋にアプローチは行っていません。それは股関節を曲げることにおいて関与していることが少ないからと考えています。



解剖学書には、股関節屈曲作用(太ももを曲げる働き)と記載がありますが、⑤と⑥の筋肉の走行からあまり関与していないと考えています。

横から見ると筋肉の起始から終わりの付着している走行は⑥大腰筋は、後ろから前方向と、内側から外側に走っているのがわかります。どちらかというと、屈曲伸展(曲げ伸ばし)よりは、回旋(捻れ)の作用の方が強いようにおもいます。

⑤腸骨筋は、比較的垂直の位置関係にあります。この筋肉は屈曲伸展の作用があると感じます。しかし、両方の筋肉ともに、一度筋肉は骨盤の一部の骨と接触して屈折しているため、この部分を支点としてテコの原理で力発揮が必要になるのではと解釈します。骨盤の傾きと大腿骨の位置関係にとても左右されるのではないかと考えます。

両筋肉ともに深層筋(身体の奥の方にある筋肉)なので、骨と骨をつなぐ関節を安定させる作用の方が強いと感じます。


モーメントアーム長の長い⑥大腰筋は硬くなりやすいですが、股関節を曲げる原因としては直接関与しているとは言い難い。⑤も⑥も骨盤部分で急な筋肉の弯曲が見られます。滑車作用のあるような筋肉の走行をしています。

この両者の筋肉は、背骨・骨盤・大腿骨(太ももの骨)のアライメント(位置関係)が整うことで、滑車作用が機能的に発揮しやすくなると考えています。

背骨・骨盤・大腿骨のアライメントが整う手がかりとなるのは、他にあるといえます。


5、股関節屈筋群が原因となっている手がかりの見つけ方


方法その1:

 側臥位(横向き寝)にて膝屈曲(ひざを曲げた状態)させた状態で股関節を伸展(後ろに伸ばす)させ、股関節の可動性を診るやり方

 下になっている脚を抱えてもらうと、より制限は著しくなると信憑性(しんぴょうせい)が出ます


方法その2:

 側臥位で片方の股関節を伸展させながら、内転(内に閉じる)・内旋(内に捻る)方向へ動かしたときに、制限を認めるかどうか可動性を診るやり方

 上記のように、下になっている脚を抱えて行うこともあります


方法その3:

 仰臥位(仰向け寝)で片方の股関節を曲げて、最終可動域の抵抗感を手で感じる方法

股関節の前方で屈曲最終域抵抗感を認める場合は、股関節屈筋群の硬さがあって制限となっているという仮説を立てます


方法その4:

 仰臥位で、片方の股関節を自分で曲げてもらいます。反体側の太ももがベッドから浮いてくることが観察されると、浮いてきた太もも側の股関節屈筋群に硬さがある指標となります


方法その5:

 腹臥位(うつ伏せ寝)で寝れる方を対象に実施しますが、片方の膝を屈曲させた状態でそのまま股関節を伸展させるやり方を稀に行います

 反対側と比較してどうなのか判断の一つとして検討します

 運動習慣のある方や若年者でスポーツパフォーマンスを上げたい方にすることが多いです

 

今回のブログは以上となります!

ご一読いただきありがとうございました!

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